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「あら、優ちゃん。今日も彼氏さんに?」



購買のレジのおばさんとは、もう顔なじみ。

世間話をするような仲だったりする。



「だから、彼氏じゃないですってー」

「照れなさんなって!B組の木村君。ええなぁ、ハンサムで」


少し関西弁交じりの、

親しみやすい中年のおばさん。


未だに和のことを彼氏と誤解してるところは、ちょっと困るけど。



「メロンパンと牛乳で、はい、250円」


そのおばちゃんの言葉と同時に、ずっと握られて温かくなった500円玉をおばさんに渡した。