母さんの言いたいことは、よく分かっていた。 5人も子どもがいるんだ。 これからお金がたくさんかかるのは分かっている。 だからこそ・・・。 ・・・でも、そんなの、だからと言って 「はい、そうですか」なんていえるわけがない。 「5日後だ」 父さんは、そう呟いた。 「5日後・・・??」 「5日後の8日。この村を、出る」 頭が、真っ白になった。 “・・・だけんさ、お祭り一緒行こうよ。” イズの笑顔が、頭の中でフラッシュバックする。 お祭りがあるのは9日。 ・・・つまり。