「じゃ…」 そう言って星也さんは 消えようとする。 「せ!星也さん」 あたしは必死で 呼び止めた。 「なに」 振り向かずに言う 星也さん。 あ…。 「す、少し話さない?」 何も考えずに呼び止めた あたしの本音だった。 少しだけ… 少しでいいから、 あなたとの日々を 取り戻したいの。 「…着いてこいよ」 星也さんはまた 振り向かずに言うと 店を出て行った。