「杏?」 黙り込んだあたしを 不思議に思ったのか 名前を呼ぶ和斗。 ボールを放って 和斗を振り返る。 「和斗…」 あたしは和斗のこと 大好きだったよ。 「別れよう」 あたしの言葉と同時に ボールがゴールに 吸い込まれる 乾いた音が 妙に大きく 体育館に響いた。