いつまでそのまま だっただろうか。 まるであたしたちの 周りだけ時間が 止まってしまったように あたしには 時間の感覚が なくなっていた。 おもむろに星也さんが 体を離す。 「星也さん… あたし…」 「わかってる」 言葉を遮られあたしは グッと口をつぐむ。 そして次の瞬間、 星也さんは驚きの 一言をあたしに 言い放った。 「オレ、 杏の家を出る」