普段決して 大きな声を出さない南が こんなに声を 荒げるなんて…。 周りの一同も シンとしている。 そんな沈黙の中、 ポツリと誰かの 声が聞こえた。 「私…知ってます」 みんなの視線が 一斉にその声の主に 集まった。 「杏ちゃん、 絶対弱音はかなかった。 南くんとか 日向さんとか 亜湖ちゃんにも 何も言わずに 笑っていたの。 私は…っ! 昔いじめられたことが あるから… 杏ちゃんが本当は すごく辛いって わかっていたのに… 何もしなかった…!!」