「いきなり何ですか?」
「だから、
日向様や南様のような
素敵な方々は
あたくしのような
女にふさわしいのです。
あなた、いいかげん
気づきなさいよ!!」
「そうよ!
あなたなんて
湊様の何万分の1の
魅力しかないんだから!」
「これ以上二人に
近づいたら…
ただじゃおかないから」
最後にふん!と
鼻をならして
湊さんたちは
去っていった。
別に全然怖くない。
怖くないんだけど…
中学の頃に
あたしの家が
バレてしまった
時の記憶は…
今もしっかりと
残っているから。
そして自然と
南を見つめて
ため息をつく。
「杏ーっ!!」

