ベルナターシ・デゥエルノは、そんな、数少ないブラウンのひとりである。

彼は、もう長いこと、ぼんやりと、薄桃色の花びらが舞い落ちる校舎の鉄柵を見上げていた。

外部の者を拒む鉄扉は固く閉ざされ、蔓草の絡まる様を彫り込んだ鉄の柵が、広大な敷地をぐるりと取り囲んでいる。