グレートクィンズ学芸院は、他の教育機関と同じく、かつては貴族の子弟のみを対象とした教育の場だった。が、近頃は、時代の波に飲まれる形で、富裕層の市民にまで門戸を広げている。

そればかりではない。

首都・リンドヘルムで過熱した人種解放運動の影響から、この数年の間に、かつては優良種と呼ばれた白色人種(ホワイト)のみに開かれていた教育の門は、褐色人種(ブラウン)、黄色人種(イエロー)、黒色人種(ブラック)といった『劣等種』にも開放されるようになっていた。