二人は仮定の話しを飽きるまでした。 近くの水族館にするか、少し遠出して駅の方の水族館にするか、だとか。 雨谷は晴子の好きなものを知りたかった。 それは晴子も同じだ。 片方が質問すれば、もう片方が同じ質問を聞き返す。 浅いところで、確実に二人は深まっていく。 少しずつ。 少しずつ。 夢は、二人にとって漂う様な不安定な繋がりだった。 ただ、今の二人にはなくてはならない世界だった。