彼女は、俺の言葉が信じられないと言う風に、言葉を復唱していた。

 そして彼女は、他の本を読めば?と提案した。

 彼女も、俺の口実探しに加担しているのだと思うと、心臓から血管が収縮して全身にぶわ、と痺れが走るような気持ちになった。

 俺は、彼女にどんな本が面白いかを聞くが、直ぐにその返答を制止した。

 それを聞きにいく事だって充分な口実になるからだ。

“学校で聞く”

 そのフレーズを聞いた彼女は、ぴくりと眉間に陰を落とした。

「…ねぇ、あのさ。夢は夢なんだよ?私が覚えてないかもしれないとか考えないの?」

 今までは覚えていた、と言葉を返しても、彼女は厳しい表情で「確証がない」と否定的だ。

 俺は、彼女に向き直る。

 確証。それが、俺の欲しかった“何か”なのかもしれない。


「図書室に行っても、雨が降らなかったら…学校が休みの日に出かけない?」


 はじめに、遊園地に行こうと思う。お化け屋敷で彼女の反応を見たいからだ。

 俺がどうしてもと強請ると、彼女は渋々ながら了承してくれた。


 勿論、条件付きで。


 それは予想済みの反応。


 条件は一週間の期限付きというものだった。