「え?」 直ぐに今の発言を無かったことにしたいと思った。 しかし、彼女は俺の横で好奇に満ちた瞳で見上げてくるので、俺は続けた。 「…あの、上の黄色い魚が、星野に似てると思って」 俺は歯切れ悪く言う。 「黄色いのって、あれ?」 そんな俺を気にせずに、星野は軽く指を指しながら俺に聞いた。 「…そう、それ」 「そんなに似ていますか?どんなところ?」 「何と無く…」 どう説明したら良いか分からずに、言葉に詰まる。 彼女は、それ以上は追求せずに、その黄色い魚を観察していた。