王子様の、花嫁探し。




「....陸戸....」

「ん?なんや?」


優しい声で、
耳元で言ってくる。




「...陸戸が、

 あの泣き虫な
 男の子だったんだね」


陸戸を離し、
陸戸を見つめる。



「....え?」

「....あたし、
 
 泣き虫だったけど、
 可愛くて、
 かっこよくて、

 いつも笑わせてくれた、

 陸戸が大好きだったよ...」



「...え?」

「...あたしも、

 あの時の約束、
 ずっと忘れてなかったよ...」



あたしの言葉に、
やっと理解ができたみたい。



「....栖羽っ....」


陸戸は再び、
あたしを抱きしめる。



「...馬鹿っ...」

「え?」

「....また、

 泣いてまうやろ...」