「鈴音さん、本当は弱いんでしょ…??
 泣きたいなら泣けばいいじゃないですか…!!」




「……。」


泣きたい。


本当はものすごく泣きたい…!!


馨くんは、ふーっとため息をついて、カツラとメガネをとった。


「か、馨くん!?ちょっ…もしここに誰か来たらバレるで!?」


馨くんはそんなあたしを無視して真剣な眼差しであたしを見つめた。



「俺じゃ…たよりない…??」



「え…??」



「俺じゃ鈴音さんを支えられませんか!?」



馨くんはそう言ってあたしを壁に押し付けた。