泣き崩れる俺の後ろから一つの足跡が聞こえ、止まった。



「…だっさ。」




聞き覚えのあるその声に振り向く。



「………哲。」



哲は、俺の泣き顔を見るとフッと笑った。



「お前のそんな顔、初めて見た。」



哲は、鈴が好きやったわけで。



俺が横取りしたにも関わらず、今まで通り俺と親友でいてくれた。



[お前ならしょうがねぇなぁ…。お前の方が鈴音ちゃんを幸せにできると思うし。]


そう言ってくれた。


でもな、俺は鈴を全然幸せになんかしてやれてへん。


傷つける…最低な彼氏なんや。