一の君にも、その声が聞こえてまいりましたので、こちらも、大変お心苦しくお思いになって、

「姉上……私は、姉上のお幸せを願っておりますれば……」

とて、淡く蕾のついた一枝に括らせた薄様の文を、輿の隙間からそっとお差し入れになって、

「姉上をお慕い申し上げるのも、これを最後にいたしましょう……」

と、こうおっしゃるのでした。