一の君とても、いつまでもいとけなき童のままでいらっしゃるというわけにはまいりません。

夜毎には、あの月の少女を思い出されて、今宵こそ、明日こそ、と、心に決めるのでしたが、かようにも、姉姫への幼き恋は、一刀に断ち切ることのできぬ思いでございます。