追い風が あたしとカオルの背中を押した。 「…ここに来るのも、今日が最後だな」 白い壁に 太陽が反射してキラキラしていた。 「ははっ…。 こんなに学校に行きたいと思ったの、初めてだったかも」 カオルがポツリと呟く。 休みの間だからだろう。 人一人見当たらない。 2人だけの学校。 「あれ?窓開いてんじゃん」 学校に来てみたけれど、さすがに入ることは無理だと思っていたから 「あっぶねーなぁ。怪しい奴が入ったらどうすんだよ」 2人で笑いながら窓から入った。