「あ…ここ」 カオルがふと、足を止める。 目の前には2本の別れ道。 「ここ、一番最初に学校行くとき迷ったんだよなぁ。 看板くらい書いとけっつーの」 「カオル意外に方向音痴だもんね」 うるせぇと言いながらも、懐かしいような嬉しいような顔で笑う。 2人とも、何も言わなくても勝手に足が進んだ。 どこに行こう、なんて決めてない。 だけど、きっと考えてる場所は同じ。 一番一緒に過ごした時間が多かった場所。 一番思い出が詰まっている場所。