『カオル、』 おばさんの声が、あたし達の足を止めた。 どうしたのかと振り向くと、満面の笑みで立っているおばさんの姿がそこにあった。 『隣町のコンビニで飲み物買ってきて。帰りはゆっくりでいいからねっ』 それは遠まわしに 帰りは遅くなってもいいよという おばさんからの優しさだった。 「わかったよ」 そうゆうとカオルは ゆっくり、ゆっくり歩き出した。 いろんな思い出を思い出すように。 そして、新たな思い出を作り出すように。