切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「いらっしゃい。
ちょっと遅くなったけど。
オマエのほしかったものってこれだろ?」

そう言って彼はその花束をアタシに差し出した。




アタシはそれを受け取った。


本当にこの人・・・
ブラックティーの花を・・・。



そしてアタシに渡した花束の花びらを1枚取って自分の唇に当てて

ニヤっと笑ったかと思うと

その花びらを今度はアタシの唇に当てた。




そして言った。

「美月、好きだよ」



たったそれだけのことなのに。