「・・・そう・・・ なんですか・・・。 どんなに確かだったものも時間の流れの中・・・ 風化していくけれど。 でも、もし・・・ もし今でも兄貴のために何かしたいって思っていてくれるとしたら ・・・どうか兄貴を忘れないでください」 そう言われてアタシはうつむいていた顔を 上げる。 「それじゃ・・・ 俺、こっちなんで」 彼はそう言うと自転車に乗りアタシの方を 向いて笑顔で手を振った後帰って行った。 彼と別れた後、 アタシはそのまま ずっと立ち尽くしたままだった。