切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「侑」という言葉の響きに

思わず顔を上げて彼を見る。






本当によく似ている。

立ち姿も。

声も。







「あ・・・
うん・・・。
小学校のときから・・・」




返事をして
またアタシはうつむいた。






2人の間に静かに時間が流れる。




なんだか変な世界に飛ばされたような感じ。





雑踏も聞こえるのに。






今出川通も
走る車も
見慣れた風景も




見えるのに。