切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「ここなら周りにだれもいないからいいでしょ?」



彼の言葉にアタシは一瞬周りを見渡す。





引っ張ってこられたところは門を出てすぐにある
植木の茂みの影。






そして学校のほうを見るとちょうど帰る生徒たちも一段落ついたのか

いつの間にか人もほとんどいなくなっていた。







アタシが
返事する間もなく彼は


「こっち向いて」

そう言ってアタシの顔を自分のほうへ向かせて
いきなり顔を近づけてきた。





「え?・・・
ちょっ・・・!」

そんな焦るアタシの反応にも知らん顔でそのまま近づいてくる。