切ナクテ、恋シイ、ヒト。


下を見るとアタシが落ちていっているのに気づいて

見上げている人がいた。




そう、怖くなかったのはその人が抱きとめてくれると

確信していたから。




でもまだ遠くてそれが誰かわからない。





ただわかるのは

その人は

アタシの好きな

ブラックティーの花束を

抱いていた。




キレイな色のバラの花。


その色は本当にブラックティーという名にふさわしくて



深い深い紅。