切ナクテ、恋シイ、ヒト。


でもアタシは
今更恥ずかしくて彼にそのことを確かめることはできなかった。







その代わり・・・

こういう状態のとき今まではされるがままアタシの両手はいつも下にだらりとしていたけれど







今日はそっと彼の背中に手をまわした。





広くて。

そして
温かい・・・背中・・・。






そのアタシの仕草が合図になったのか彼は再びアタシの耳元で言った。


「好きだよ、美月。
オマエが望むなら何度でも言ってやる」





アタシはその答えの代わりに彼に回していた手に少し力を入れて抱きしめた。