「じゃ、 こうしても怒らない?」 彼はアタシを引き寄せる。 彼の中にすっぽりおさまる。 その拍子に抱いていた猫が アタシの腕を すり抜けて飛び降りる。 こんなふうにされるのは これで何度目だろう。 でも何回経験しても初めてのときのようにすごくドキドキする。 優にアタシのこのドキドキが伝わってしまわないか気になる。 「ちょっと・・・! 離し・・・て!」 「やだ、離さない・・・ って今日何回そんな会話した?」 彼は笑いながらアタシに聞く。