アタシは次の彼の言葉を待っている。 今ここで言っている言葉はアタシに対してだけ。 この人はアタシだけを見ていてくれている。 そんな風に考えるなんてまるで魔法にかかってしまったようだ。 それならどうかアタシに二度と魔法がとけないようにしておいて。 哀しい思いはしたくない。 「あれ?怒らない?」 彼はそのまま黙っているアタシに言った。