「それだけで 決めつめるわけ?」 そして一瞬の沈黙のあと。 「・・・美月には それにこころあたりないの? それにからかってなんかないよ。 いつも真剣なんだけどな」 彼は笑っていたけれど瞳はどこか淋しげだった。 アタシは彼の言ってる意味がわからなかった。 そのまま黙っていると 「参ったな。 本当に好きな奴にはそう簡単に 手も出せなくなるってのが わかんないの?」 彼は独り言のようにつぶやいた。 近づいてくる彼にドキドキしながらアタシはいつものように少し後ずさりをする。