「あぁ、優、
誰か来たらどうすんねん!
今はまだあけへんほうがええって」
津志田くんが飛び出した猫を追いかけながら慌てて言う。
「だって今まで窮屈だったのに可哀想じゃん。
じゃあとよろしく」
優はそう言ってアタシの手を取って部屋を出て行く。
「あ、ちょっと待ってや。
津志田くんは?猫は?どこ行くんよ?」
アタシは引っ張られながら優に聞く。
「なに質問攻めにしてんの?
生物準備室に行こう。
一緒に夕陽を見よ?」
彼は嬉しそうに言った。
・・・夕陽。
黄昏。
あのときの。
あの夕陽。
そして・・・。

