切ナクテ、恋シイ、ヒト。


車が発進して少しして彼はアタシに話しかけた。

「あのさ、寿賀野さんって優のこと目の敵にしていつも怒ってるけどそんな悪い奴でもないねんで?」





なんで
そんなこと突然・・・?




アタシはそのまま彼がまだ話を続けそうなので黙って聞いていた。







「確かにやることが勝手で突拍子もないけど。

寿賀野さんにちょっかい
出したのも・・・

こんなこと言ったら
また怒らせるかもしれないけど
最初は可愛い子がいるって噂で聞いて好奇心からって言ってた」



アタシは話を聞きながらあぁ、やっぱりね、って思った。


そして相槌の代わりにタメイキをついた。