切ナクテ、恋シイ、ヒト。


なぜだか涙が溢れてくる。





どうして。

どうして。



優は笑いながらそんなアタシを見て言った。

「泣いた顔も可愛いね・・・。
でも強気な美月じゃないとやりにくい・・・」




彼は再び顔を近づけて自分の額とアタシの額を合わせた。





そしてアタシも泣いてんのか笑ってんのかわからない表情をして言い返した。

「アタシかて優のそんなやさしい態度、
やりにくい・・・」





2人で額を合わせたまま笑う。


・・・長く伸びた2人のくっついた影。






しばらくして彼は立ち上がり

「じゃ、早く帰りな?」

そう言って教室から出て行った。