切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「で?どうして今日ここに来たん?」

津志田くんはアタシに聞いた。



「あ、こないだの議事録のノート・・・」



アタシがそう言ったとき彼は思い出したように

「あ!ごめんごめん。
ずっとウチが持ってたまんまやったやんなぁ?

ホンマならこっちから持って行かんとあかんのに」




そう言いながら引き出しに片付けられていたノートをアタシに渡した。




「ありがとう、
そしたらアタシ、これで・・・」



「あ、よかったら伊勢田に会って行ってやってよ」

津志田くんは猫をそっと床に下ろしながら言った。




「・・・え?」


「だってさ、せっかく来てくれたのに会わないで帰ったって
知ったらきっとアイツ怒るからさ」