「とりあえずどうぞ」 中に入れてくれて部屋を見渡す。 別段なにも変わりはない。 アタシが不思議そうにしていると彼は 「原因はこれ」 と言って子猫を抱いてアタシに見せた。 「わっ!」 アタシは驚いて声をあげた。 「・・・猫苦手?」 「あ、そうやないけど、急やったから・・・」 アタシが慌てて言うと 「この子猫は実は今朝、優が拾ってきてん。 学校くるときに通学路で捨てられてたようでダンボールに入ってたって」 津志田くんは猫の頭をなでながら言った。