切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「あ!あのさっきのあの子、
役員の子?
名前聞いてなかったけど・・・」


「あ?アイツ?アイツは書記の・・・」



そう答えた後も彼はそのままアタシに接近してくる。




「あ・・・あの子、
伊勢田くんのこと・・・
好きなんとちゃうかな・・・?
だからこんなことしてたら・・・」


「そんなの関係ないよ。
俺が好きなのは美月だけだから」


アタシはその言葉を聞いてもっと真っ赤になる。




もう何度同じこと言われただろう。


嘘に決まってるのに。


言われるたびにドキドキしてしまう。


・・・アタシの脳裏に再び彼女が浮かんだ。