切ナクテ、恋シイ、ヒト。


「こっち」

彼はアタシの手を引いて屋上に入っていく。



・・・繋がれた手が熱を帯びていく。

ドキドキする。





そしてさっきまでの怒りがすぅっと引いていく・・・。



なんかアタシ
・・・変かも。



「ほら、見てみろよ。こっからも京都タワーが見えるだろ?」


彼は嬉しそうにアタシに言った。





その表情は・・・。

一緒にパフェ食べたときの。

あのときと同じ穏やかな笑顔。




最初のころ、彼はとても冷たい目をしてアタシを見ていたのに

最近はちょっと穏やかな表情をすることが多いように思える。



「聞いてる?」


「あ、ごめん。うん。見える」

アタシは慌てて答える。