切ナクテ、恋シイ、ヒト。


会議が終わってもアタシの不快な気分はおさまらずイライラしていた。




松久保さんが

「ほな、帰ろうか」

って声をかけたとき



後ろからアタシを呼ぶ声がした。





「寿賀野・・・さん?」

振り向くとそこにマジメそうな男子が立っていた。




この制服・・・さっきの失礼な奴と同じ。

ってことはコイツは北高の副会長・・・?





アタシはまた一気に機嫌が悪くなり無愛想に

「なんですか?」

と答えた。




すると彼は

「さっきはすいませんでした。
あ、俺、北高の副会長やってる
津志田 廉(つしだ れん)です。

彼・・・伊勢田はあんな感じでも
そう悪い奴ではないんです」



と申し訳なさそうに言った。