「おぉ!!元気か、ハルっぺ!相変わらず仲良いね~!」


僕とユキの繋いだ手と手の間に割り込んできたのは、水野さんだった。

少し痩せたような気もするけど、元気過ぎて僕は逆に心配になった。


「ひどいよ・・・。水野さんに捨てられたかと思った・・。」


「ごめんごめん、ハルっぺ。もう元気になったからな!ごめんよ~!」


抱きしめる腕のガッシリさに僕は懐かしい安心感を思い出した。

どうして、今まで連絡くれなかったのだろう。

この数ヶ月一体何があったんだろう。

僕の頭の中は、破裂しそうだった。


ゆうじのさっきの発言、シンの決断、水野さんのこと。

考えることがいっぱいだけど、次から次へと知り合いに会うから考える暇もない。


そして、体育館に入場し、一番前の真ん中に座った。

みんなの高鳴る胸のドキドキが聞こえてくるようだった。

真っ黒なカーテンを閉め、暗くなった体育館に、ゆうじの声。



「みなさん、お待たせしました。今日は、僕の親友と大野君の母校であるこの高校でライブができることになりました。最後まで楽しんでください。」


ライトが一点に集中した。