涙が止まらない僕たちを置き去りにして、どんどん話すゆうじ。


会場が1つになっていると感じた。


僕は、隣にいるユキの手をしっかりと握り…

その手が震えていることに気付いた。


僕もユキもみんな泣いていた。




おい、ゆうじ。



僕らは、お前の笑顔を見ると


まだ・・泣いちゃうよ。




『♪春が好き

  春が好き


  新しい始まりの鐘がなる

  新しい笑顔に出会う季節


  春は人を明るくさせる

  春は笑顔を運ぶ  

  
  僕は春がすき



  雪が好き

  雪が好き

  真っ白な気持ちを届けてくれる

  心の中を風が吹き抜ける

  雪はみんなの笑顔

  雪はそっとささやく天使

  僕は雪がすき♪』






大野君の歌う歌も・・・


心に染み渡る。




ゆうじの気持ちが乗り移ったような優しい表情で時々微笑みながら歌う。









ありがとう!!ゆうじ。


僕とユキを愛してくれて


ありがとう!!!!


僕は、涙を流し続けたままユキの手を強く握った。


目の前に広がる光景は、僕の心に深く刻まれた。



涙でにじんだ笑顔。


大野君の軽やかな手の動き。


ライトに照らされた空気の中にたくさんの埃が見える。






僕は、もう泣かないと決心した。