この日をこんな気持ちで迎えることができるとは思わなかった。


快晴の青空の下、僕らはライブ会場へと急ぐ。


いわし雲が広がるさわやかな空は、僕たちのようだった。


僕とユキ。

シンと奥さんになる人。

ユミちゃん。

水野さんとみずきさん。

そして、教習所で出会った仲間達。

寛太は、大きくなった愛ちゃんを嬉しそうに抱いていた。

山之上さん親子も、来てくれた。



みんな、多くを語らず、ただ、時間が来るのを待っていた。


センター1列目。

動くと椅子がミシミシと音がした。

それくらい静かだった。



こんな特等席を用意してくれた大野君は、この日を楽しみにしつつ、来なければいいとも思っていた。

乗り越えた壁は、大野君の自信となるだろう。



映像のゆうじとの対面。


緊張が走る。