衝撃の事実を知った僕は、人の目を見て笑うことすらできなくなっていた。

ライブの日から1週間くらい、ユキは毎日僕の家に泊まってくれた。


ライブに来ていたユキのご両親の、『今は一緒にいなさい』との一言に感謝する。


ライブが終わった翌日からゆうじは入院することになった。

お見舞いに行くと、泣いてしまいそうでなかなか行けずにいた。



今日、やっと僕はユキとお見舞いに行った。

薬のせいでずっと眠っているらしく、ゆうじの寝顔だけ見て帰ってきた。


新しいアルバムの曲作りは全部終わっているらしい。

5月に出るアルバムはもう完成に近い。


ゆうじは、自分の体のこと一番よくわかっているんだ。

だから、寝る間も惜しんで曲作りに励んでいたのだと、今になって思った。



病院からの帰り道、あまりにうつむいていた僕にユキが提案した。


「水野さんに会いにいく??」


僕は、ライブで再会した水野さんとまだじっくり話ができていなかったので大賛成だった。