「それでは、聞いてください。命の大切さをみんなに伝えたくて作りました。歌います。」



泣き声が響く体育館は、ゆうじがマイクを持つと静まり返った。



 『♪風がそっとささやく  もうすぐ時間だよ

   風が歌う  今生きている幸せを

   それぞれの想い乗せて 僕は歌い続ける

   恋を知らない僕に 教えてくれた胸のときめき

   愛を届けてくれた君 命は果てしなく続く


   空に歌う 僕のありったけの想い

   どこまでも届けよう この命の限り

  
   生きているこの瞬間 小さな感動や涙
   
   生きているからこそ感じる痛みや悲しみ

   命は どこからきてどこにゆくのか

   僕の命は僕だけのものじゃない
    
   君の命はみんなの命

   君を取り巻く全ての人の命

   君を愛するたくさんの人の想い乗せ 歌い続けよう

   生まれてきたことの幸せ 歌おう 
  
   ありがとう ありがとう 愛してくれてありがとう♪』