吸血鬼と紅き石


そう、あれが最後だと思ったのだ。


(のに―――!)


「いやあ、あの時は可愛かったなぁ」

素直で、とニヤニヤと愉しそうに笑みを浮かべる顔は、実はまだ傍にある。

あの後彼の居城へと戻り、すぐにどこかの村か街に置いて行かれるだろう、との自分の予想は裏切られる事となり。

ここにいろ、と言われて、またレンバルトとの生活が始まったのだ。

……事実、嬉しい。

嬉しいの、だけど。

(神様のバカー!)

こうして事あるごとにその時の事蒸し返されて、からかわれる羽目になっている。

神様にでも八つ当たりしまければ、この気持ちは治まらない。

リイエンの胸元で、乳白色の石が、笑うように揺れた。