吸血鬼と紅き石

「冗談だよ」

レンバルトはそう告げて、リイエンの瞳に溜まる涙に口付けた。

そのまま優しく涙啜られて、不意打ちの甘い優しさに心臓が激しく脈打ち始めた。

瞼に、頬に、と優しく触れる唇に、身動き一つとれない。

心臓は勢い良く鼓動を刻み、もはや破裂するかもといっそ心配させる程だ。

「リイエン」

レンバルトの言葉が、甘い響きを伴って自分の名を呼ぶ。

名を呼ぶ声一つで赤面してしまうような、身体の芯から蕩けてしまうような、そんな甘い、甘い声。

絶世の美貌が近付き、リイエンの唇に彼の吐息が掛かる。

そして触れ合う程の近さの唇同士が今まさに―――