吸血鬼と紅き石

「お願いするわ」

はっきりと答えた少女に青年は頷き、片手を石に翳した。

柔らかな灰銀の輝きが、レンバルトの掌に集まってゆく。

「沢山、辛い思いを味わわせてしまってごめんなさい」

ザーディアスから聞かされた、惨い出来事に心が痛む。

もう、どんなに謝っても遅いけれど。

目に熱いものが込上げるのを感じながらも、リイエンは魂魄達に笑みを向ける。

「大丈夫よ、もうすぐあなた達の両親や兄妹達に会えるから」

何も心配することはないと、告げるリイエンを労わるように慰めるように、魂魄達はその頬にすり寄る。

レンバルトが自分を見ている。

きっと準備が整ったのだろう。