吸血鬼と紅き石

「……ア゛…ぐ…ッ!?」

声にならない詰まった空気のような音が男の口から洩れる。

「阿呆が。馬鹿みたいに浸ってるから、こういう事になるんだよ」

傲慢に告げる青年の剣や腕に絡み付いていた筈の闇の鞭は、空気に溶けるように霧散していく。

「ア゛、レン…バルト…貴様なに、を…」

何が起こっているのか分からず、呆然と己の手を見つめるザーディアス。

「何、って簡単なことさ。お前の鞭を使って、俺の力を流させて貰った」

言われて初めてザーディアスは見つめる己の手の内に、灰銀の力が走っているのを感じた。