吸血鬼と紅き石

「オルフェルトのように、人間の女なぞに現を抜かす輩にそのような事が出来るものか!」

嘲笑うザーディアスの鞭がしなり、レンバルトの持つ剣ごとその腕に絡み付いた。

鞭はそのまま両者の間でピン、と張り詰めたまま、息を潜めている。

腕ごと剣の動きを封じられ、状況的に危機に陥った筈のレンバルトの瞳が煌めいた。

愉悦に浸るザーディアスは、それに気付かない。

気付かれないままレンバルトの灰銀の色彩が鞭を伝い、ザーディアスへとにじり寄っていく。

あと…少し。

「フフフ…捕えてやったぞレンバルト。さあ、どう」

悦楽のまま紡がれていたザーディアスの言葉が不自然に途切れた。