吸血鬼と紅き石

「歓迎されている、という訳か。…あのガキ――――絶対にタダじゃ済まさねェ」

剣呑な色を瞳にはきながら、レンバルトは結界を破る為に掌へと力を集める。

「―――ったく…。呼べば簡単に道は開ける、ってのに…」

ぼやきながら想うのは、金の髪と翠の瞳の少女。

この結界さえ抜ければ会えるのに。

「無事で、いろよ」

言葉に言霊の力籠め、彼は呟いた。

そして少女と再び出会う―――その為に片付けなければいけない障害へと意識を集中させた。