「う、そ…本当に、父さん…なの?」

目の前の微笑みを見ても、すぐには信じられない。

だって父は、朱に染まって死んだのだ。

殺されたのだ。この、目の前の吸血鬼によって。

「おやおや…随分と疑り深くなっているようだね」

結構なことだと笑う、その声や言葉は――――間違いなく父のもの。

その姿がその身を屠った男、であるという違和感があるが、それでも分かる。

生きていたのだ。

「父さん!」

嬉しさのあまり、リイエンは目の前の男に抱き付いた。