吸血鬼と紅き石

「ええ…これがあなたを手に入れる為の、最後の手段ですもの」

返るのは、当然とばかりの頷き。

「俺一人に随分な入れ込みようじゃねェか」

レンバルトは歯噛みする。


迂闊だった。

まさか自分にこれ程目の前の女が執着しているとは思ってもみなかったのだ。

空間ひとつを丸ごと消滅させる―――他の世界の均衡を壊しかねない、その術は、己ら吸血鬼にとっても命がけの術。

閉じ込められた者は破壊された空間の中で永久の眠りにつくのだ。

もし己がこのまま囚われてしまえば、少女を助けに行ける者は皆無。